











変わらぬ信念 変える未来
Yokogawa Design Beliefs
“誠実であれ、良いものをつくれ”創立120周年を機に、言葉の意味を考える。
「組織の理念(社是)」であり、創立者の想いであるこの言葉に、“Yokogawa Design Beliefs(YDBs)”という「信念」を重ねることで、先人たちと現代の私たちが、今日まで建築に込めてきた想いを見つめ直したい。それが、未来へのメッセージとなるように。
組織の理念を糧に、信念を宿す木
-Conceptual Diagram-
組織の理念とYDBsとの関係を図式化。組織の理念は、これまでもこれからも変わらないもの(=土壌)であり、我々(=樹木)はその想いを大切にしながら、プロジェクトごと、担当者ごとに各々YDBsという信念(=葉)をもって計画に取り組む。やがて、我々の信念を宿した建築(=花)が樹木いっぱいに咲き誇る未来をイメージした。
なに(誰)に対して、あるいはなに(誰)にとっての「誠実」であり
「良いもの」なのか区分する
YDBsを構成する6つのカテゴリと18のアイテム
-
顧客に対して
- 満足度の向上
- 価値感の共有、寄り添う
- 計画プロセスでの関係性構築
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社会に対して
- 脱炭素、気候危機、持続可能性
- 災害対策、BCP
- 変化に追従、フレキシビリティ
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ヒト・モノにとって
- 快適性(心身健康で、心豊かに)
- 機能性
(人も物もストレスフリーに) - 普遍性あるいは美しさ
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未来に対して
- 将来への展望、拡張(夢)
- プロトタイプになり得るか
(先進性) - まだ見えないさらなる未来(挑戦)
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地域にとって
- 地域での活動や生活を営む
「人」にとって - 地域の「特徴、景観」にとって
- 地域の「気候風土」に適した計画
- 地域での活動や生活を営む
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出来事・活動にとって
- 一般的な機能以外の特別な出来事
- 設計者として仕掛ける出来事
- 予想外に生まれた出来事
This is our beliefs !! Yokogawa Design Beliefs
私たちがこれまで考えてきた未来と、次の時代に考えていく未来とを改めて再考した。大切にしてきたこと、これからも大切にしていきたいことを抽出し、その想いを6つのカテゴリと18のアイテムに分類。これを、未来へ進んでいくための「Beliefs=信念」に掲げた。
6つのカテゴリはYDBsの骨格となる。なに(誰)に対して、あるいはなに(誰)にとっての「誠実」であり「良いもの」なのかを区分し、各カテゴリにはそれぞれ、設計活動を行う上での取組課題を3つのアイテムに具体化。合計18のアイテムによって構成されている。
これまで考えてきた未来(大切にしてきたこと)を可視化するツール
「YDBs Wheel」
これまでに考えてきた未来を再考した上で、それを可視化するためのYDBs Wheelを作成した。当時の視点に目を向け、項目ごとに1~ 5 段階で評価。これからどんな未来を描くのかを示す指標となるよう期待する。YDBs Wheelツールによって可視化することは、各プロジェクトが「なにを大切にしたか」がひと目でわかり、用途や年代ごとにまとめることで、その時々の信念を示すことができる。
YDBs Wheel 例
- ポイント地域の伸び
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この建物はYDBsの「地域」に重点を置いた。
地域固有の気候や環境、歴史などを分析し地域に根ざしたこの場所ならではの建築のあり方を実現した。
- ポイントヒト・モノの伸び
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この建物はYDBsの「ヒト・モノ」に重点を置いた。
会社や部署を超えたコミュニケーションや偶発的な出会いの場を計画することで、企業価値がさらに向上することをめざした。
このプロジェクトではとくに「ヒト・モノ」「地域」に重点を置いていることが一目瞭然である。逆に「未来」や「出来事」対しては、踏み込んだ提案につながっていないことがわかる。これまで大切にしたことを見つめなおし、これからの未来をどのように考えていくかを見つめるきっかけとなるツールである。
YDBs Wheelを活用した分析と再評価
これまでのプロジェクトにおいて、作品紹介とともにプロジェクト・担当者ごとの信念をYDBsの評価軸で再評価していく。再評価したものはYDBs Wheelを活用して、さらに可視化。
主要プロジェクトにおける分析・再評価をのせ、評価軸で分析することで、設計時に大切にしたこと、どんな未来を想い描いていくのかを考える。