まちの復興をけん引する
高度衛生管理型荷捌き施設
女川漁港は、最盛期には養殖キンザケ15業者・サンマ船10隻を超える大きな漁港であり、漁港地区人口が町全体の約50%を占める賑わいのあるまちでしたが、東日本大震災により甚大な被害を受け、復興に向けた取り組みが今も進められています。
水産業の復興を町全体の復興につながる重要事項と位置づけ、一日も早い復興と効率的・衛生的な水揚げ体制の構築が求められました。そのため、迅速な復興を可能とし、設計段階から施工者の技術力を取り入れられる、ECI方式を採用しています。
旧市場跡地に先行して建設された東棟荷捌き施設の西側に管理部門を配置し、市場全体の衛生管理・情報管理・エネルギー管理の一元化を図りました。東側には中央棟荷捌き施設・西棟荷捌き施設を設け、より効率的な陸揚げと衛生管理が実現できるよう、これまでの漁業種ごととしていた水揚げゾーン設定を水揚げ形態ごととし、高度衛生管理型荷捌き施設として水産庁の定める最高レベル(レベル3)を実現しています。
深海とさざ波をイメージし濃紺と白を基調とした2色の外観で市場の清潔感を表現、内観に女川港の若葉の緑・晴天の青・旭日の橙・満月の黄を各所に配し、にぎわいと躍動感を表現しています。
今回のプロジェクトに参加できたことに感謝し、今後とも東北の復興に微力ながら寄与してまいりたいと考えております。
建築主 | 女川町 |
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所在地 | 宮城県牡鹿郡女川町 |
構造 | 鉄骨造 |
階数 | 地上4階 |
延床面積 | 12,425㎡ |
竣工年月 | 2017年4月 |
備考 |
『近代建築』2018年1月号掲載 設計・監理協力として参画 (設計・監理:一般財団法人 漁港漁場漁村総合研究所) |